むし歯予防の効果アップ!寝る前の歯磨きに歯間ケアグッズを取り入れよう
皆さん、こんにちは。
上尾市の麻生デンタルクリニックです。
「歯はちゃんと磨いているつもりなのに、むし歯になりやすくて……」
そんなお悩みがあるとしたら、なんとなく歯を磨いているからかもしれません。
歯を磨く目的は、細菌のかたまりである「歯垢」の除去。適切な道具を使ってケアすれば、予防効果をグンと高めることができます。
忙しい時間の中、せっかく歯を磨くのですから、できるだけ有効な方法で行いたいものですね。
そこで今回は、1日の中で最も予防効果が高い歯磨きのタイミングや、汚れの除去率を大きく改善できる歯磨きグッズについてお伝えします。
麻生 明伸 院長
医院名:麻生デンタルクリニック
所在地: 〒362-0001 埼玉県上尾市大字上824-3
監修者:麻生 明伸 院長
Contents
最もおすすめのタイミングは「夜寝る前」
むし歯予防の効果を高めたいなら、歯を磨くタイミングに配慮しましょう。
「食後に歯を磨く」という人は多いですよね。もちろん食べてすぐ磨くのは、むし歯予防の観点でとても良い習慣です。
とはいえ、仕事や学校などの生活に追われていると、3食毎に欠かさずしっかり歯を磨くのは現実には難しいかもしれません。
そんなとき、最も大切にすると予防効果が高まるタイミングがあります。
それは「夜寝る前の歯磨き」です。
どんなに忙しくても、夜寝る前だけはしっかり丁寧な歯磨きを行うようにするといいですね。
夕ご飯を食べた後、疲れてしまい、歯を磨かずに寝落ちしてしまうのは止めましょう。
寝る前の歯磨きが大切な理由
むし歯を予防したいなら、寝る前の歯磨きタイムを大事にするのが賢いやり方です。
というのも、睡眠中は口の中が乾燥します。
朝起きたらのどがカラカラになって痛いから、就寝時は加湿器が手放せないという人も多いでしょう。
口の中が乾燥するのは、唾液の分泌量が圧倒的に減るからです。
この唾液が、むし歯予防の強い味方なのです。抗菌パワーを発揮して細菌を洗い流し、繁殖を防ぎ、口内を衛生的な環境に保つのです。
むし歯や歯周病だけでなく、感染症の予防にも唾液の力が役立ちます。
寝ている間は、唾液の抗菌パワーの働きが格段に弱まってしまいます。むし歯菌の繁殖を防ぐため、寝る前には歯をしっかり磨き、口内細菌を減らしておきましょう。
▼歯磨きの適切な回数などを知りたい方はこちら▼
「適切な歯磨き時間や回数はどのくらい?」
「歯間ケア」を大事にしましょう
歯磨きをしているつもりでも、むし歯の原因を除去しきれていないと、むし歯になりやすい原因をつくってしまいます。
なんとなく歯磨きをしていませんか?
完璧に歯磨きをするというのは実はかなり難しく、歯磨きが上手な人でも間違った方法では口内の汚れの40%は磨き残してしまうといわれています。
お口の中を想像してみてください。歯と歯のすき間をはじめ、奥歯の側面、歯と歯ぐきの境目など、歯ブラシの毛先が届かない場所がたくさんありますよね。
歯並びがデコボコしたところや、むし歯の治療跡(詰め物・被せ物と天然歯の境目)などもむし歯菌に侵されやすいところです。
銀歯のむし歯の再発にご用心
10年以上前に歯を治療した跡が、お口の中にありませんか?
そんな被せ物や詰め物をしている部分も、歳月とともに劣化してすき間ができている可能性があります。
特に銀歯は、口の中という酸性に傾きがちな過酷な環境で劣化しやすく、すき間からむし歯菌が入り込んで被せ物の下でむし歯が進行していたということは珍しくないのです。
歯間ケアを効果的に!おすすめ歯磨きグッズ
先ほどもお話ししましたが、歯ブラシ1本だけの歯磨きでは、約40%もの磨き残しができてしまうことがわかっています。
半分近い汚れが除去できていないとなると、歯磨きしているのにむし歯になってしまうのも当然といえますね。磨き残しは、限りなくゼロに近づけたいものです。
そのためには、歯ブラシ1本だけの歯磨きではなく、歯間ケアグッズを採り入れた歯磨き習慣をつけることが大切です。
そうすれば、セルフケアでも約20%くらいまで磨き残しを減らせるといわれています。
残りの20%は、どうしても歯磨きでは取れない場所に蓄積された汚れなので、定期的に歯科健診に通いプロのクリーニングを受けるといいですね。
おすすめ歯間ケアグッズ(1)デンタルフロス
「Floss or Die(フロスか死か?)」
これは、かつてアメリカの歯科医師会が、予防ケアキャンペーンで発信したメッセージです。フロスを使うか、使わずに死を選ぶかなんて、非常にインパクトがありますよね。
それくらい、デンタルフロスを使った歯磨きの効果は絶大です。
歯間ケアを怠ると、むし歯や歯周病が重症化し、細菌が血管に入り込んで命にかかわる全身疾患を引き起こす危険があることを伝えているのですね。
●夜寝る前(1日1回以上)丁寧な歯磨きを行う際、デンタルフロスを使用する
この習慣を大事にすることで、歯磨きの予防効果アップが期待できます。
デンタルフロスの種類
デンタルフロスには、指に巻き取って使う糸巻タイプと、L字型やY字型の持ち手がついたホルダータイプがあります。
また、糸にも色々な種類があります。水を吸うとスポンジ状に膨らみ、汚れを掻き出しやすい作りになっているものもあります。
初心者向けには、糸にワックスが塗られていて歯間にスムーズに入りやすくなっているものもあります。
糸の太さもさまざまなので、自分の歯のすき間の大きさに合った使いやすいものを採り入れましょう。
●糸巻タイプのデンタルフロスの特徴
必要なだけ切り取って使うので経済的
●ホルダータイプのデンタルフロスの特徴
フロスに慣れない人も使いやすい
デンタルフロスの使い方
糸巻タイプ、ホルダータイプ、どちらのタイプも、1本1本の歯の側面に沿ってゆっくりとノコギリを引くように糸を挿入します。
糸を歯ぐきに接する部分まで入れ込んだら、歯の側面の汚れを掻き出すように引き上げます。
歯の根元はカーブになっていますので、そこまで糸を入れ込んでしっかり汚れを除去しましょう。
おすすめ歯間ケアグッズ(2)ワンタフトブラシ
ワンタフトブラシをご存じですか?ブラシの部分が丸い小さな毛束になっている歯ブラシです。
普通の歯ブラシのヘッドは大きいので、奥歯の側面や歯のデコボコしたところなどが磨けないものです。
そんな時、ワンタフトブラシを使えば、無理なく細かいところまで磨けます。
薬局やドラッグストアの歯ブラシコーナーにも、普通に1~2種類は置いていますので、簡単に手に入ります。
妊婦さんにもおすすめ
妊娠中は体調が変化しやすく、歯ブラシを口に入れるだけで気持ちが悪くなることもあるでしょう。
ところが妊婦さんはホルモンバランスの影響でむし歯や歯周病になりやすいため、お口のケアをしっかりする必要があります。
そんなときは、ヘッドの小さいワンタフトブラシで歯磨きをしてみましょう。汚れを掻き出すように磨けば、負担が軽減されます。
▼歯医者でできる子どものむし歯予防について知りたい方はこちら▼
「子どものむし歯予防にシーラント」
歯科のプロケアで蓄積汚れを除去しましょう
ご家庭でのセルフケアで取り除けない蓄積汚れは、定期的な歯科健診でクリーニングを受けるようにすると、きれいに清掃できます。
毎日の歯磨きで磨き残しやすい部分がわかりますし、適切に歯垢を落とせる歯磨きの方法の指導も行っています。
また、お口の状態に合った歯磨きグッズの選び方がわからないという場合は、ご相談ください。歯磨きの予防効果を高めるアイテムをご提案します。
▼歯科のプロケアについて知りたい方はこちら▼
「むし歯予防のためのプロケアについて」