歯石取りって気持ちいい!でも、何のためにするの?
皆さん、こんにちは。
上尾市の麻生デンタルクリニックです。
皆さんは、歯医者で歯石取りの治療を受けたことがありますか?
「どのような治療をするの?」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、歯石を取ることでどのような効果があるのか、治療の流れとあわせてご紹介します。
麻生 明伸 院長
医院名:麻生デンタルクリニック
所在地: 〒362-0001 埼玉県上尾市大字上824-3
監修者:麻生 明伸 院長
Contents
歯石を取って、おくちのトラブルを減らそう!
歯石取りは「予防歯科治療」というものに分類され、おくちのトラブルを未然に防ぐことを目的としています。
歯石取りをすることによって得られる効果は、次の3点です。
歯石取りの効果(1)むし歯や歯周病の進行を防ぐ
歯石そのものには、むし歯や歯周病を進行させるような力はない、といわれています。
しかし、歯石の表面はデコボコしていて、むし歯菌や歯周病菌といった細菌が付着しやすくなっています。
歯石を取り除くと、むし歯や歯周病の原因菌がおくちの中に停滞しにくくなります。
その結果、むし歯や歯周病の進行を防ぐことができるのです。
歯石取りの効果(2)口臭を軽減・予防できる
歯石の表面に付着した細菌が、ニオイの強いガスを発生させることがあります。
また、歯周病による歯ぐきからの出血も口臭の原因と考えられます。
歯医者で歯石を取って細菌を取り除き、歯周病の進行を防ぐことが、口臭予防につながるのです。
歯石取りの効果(3)着色汚れを除去・防止できる
表面がデコボコしていると、色素も付着しやすくなります。
タバコはもちろん、コーヒーや紅茶、赤ワインといった色素の濃いものはとくに着色しやすいといわれています。
着色汚れが気になっても、そのために好きなものをやめるのは難しいですよね。
定期的に歯石を取ることで着色汚れを取り除き、再び付着するのを予防しましょう!
「歯石取り=痛い」というのは本当!?
歯石取りは痛い、とどこかで聞いたことはありませんか?
痛みはなるべく感じたくない、という理由で歯石取りを避けている方もいるのではないでしょうか。
誰でも痛みを感じるのは嫌ですし、怖いですよね。
では、本当に歯石取りは痛みを伴う治療なのでしょうか?
歯石取り自体は痛みのある治療ではない
歯石取りは、歯の表面に付着している汚れを取り除く治療です。
歯を削ったり、歯ぐきを傷つけたりすることはないため、本来は痛みのある治療ではありません。
しかし、歯ぐきが腫れた状態で治療を受けたり、もともと知覚過敏があったりすると、痛みを感じやすくなります。
歯石取りの前には、歯磨きを丁寧に行い、歯ぐきの腫れをなるべく抑えておくと痛みを減らすことができますよ。
なにかあれば我慢せず、すぐ伝えてOK!
歯医者の治療は、どんな治療であってもスタッフが患者様の様子を伺いながら行うことが基本です。
しかし、我慢強い患者様の変化には、スタッフも気づくことが難しいことがあります。
歯石取りの最中、もしも痛みを感じた場合は我慢をする必要はまったくありません!
たとえば、超音波の振動で歯石を取る機械は、お水を出しながら使用するので知覚過敏のある方はしみることがあります。
お水がしみやすい場合には別の方法で歯石を取ることもありますので、一度相談をしてみましょう。
また、歯石取りの治療でも、むし歯治療と同じように局所麻酔を使用することもできます。
「ワガママかな……」と我慢せず、なんでも気軽に伝えましょう!
歯石を予防するためにも、歯石について知ろう!
皆さんは、歯石についてどこまでご存じでしょうか?
「石」と名前についているくらいですから、硬いものということはなんとなく読み取れますよね。
歯石を知ることで、付着を予防することにもつながります。
歯石とは何なのか、予防方法など含めて簡単にみていきましょう。
歯石はどうやって作られる?
歯石は、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)と、唾液の中に含まれるカルシウムなどの成分が合わさることで作られます。
最初からいきなり歯石としておくちの中に現れるのではなく、プラークから生成される、というのがポイントです。
プラークは細菌のかたまりで、食後4〜8時間ほどで作られます。
早い人は、2日経つとプラークから歯石になるので気をつけましょう。
プラークの段階であればハブラシを丁寧に行うことで取り除くことができます。
おうちでのブラッシングを丁寧にして、プラークが歯石になる前に取り除く習慣をつけましょう。
付着してしまった歯石は自分でも取れる?
「歯石を自分でも取れたらいいのに……」と考える方もいらっしゃると思います。
残念ながら、歯石はとてもガッチリと歯にくっついているので、ハブラシなどでは落とすことはできません。
適当な道具で無理に取ろうとすると、歯や歯ぐきを傷つけてしまったり、ざらつきが残って余計に歯石が付着しやすくなったりすることがあります。
歯石が付いてしまったら、歯医者で専門のスタッフに取ってもらうようにしましょう。
歯石を取る治療の流れ
「歯石を取ってほしい」と歯医者に行っても、すぐに取ってもらえるとは限りません。
歯石取りを行う場合、まず歯や歯ぐきの状態を検査してから行うことがほとんどです。
歯石を取る治療の流れについて、歯石取りの方法や検査もあわせてみていきましょう。
治療の流れ(1)歯や歯ぐきの状態を検査
歯石を取り始める前に、まず歯や歯ぐきがどのような状態なのか検査をしていきます。
歯周病検査とも呼ばれ、歯周ポケットの深さや出血するかどうか、歯が揺れ動いていないかなどを調べます。
歯石は、目に見える範囲だけでなく、歯ぐきの中にも付着するのをご存じでしょうか?
歯周病検査で使用するプローブという器具を使って、歯ぐきの中の歯石も調べることができます。
きちんと歯石を取りきるためには、歯石取りの前の歯周病検査が重要、ということですね。
治療の流れ(2)専用の器具を用いて歯石を取る
検査が終わったら、専用の器具を使って歯石を取ります。
硬くガッチリとくっついた歯石をどのように取るのか、気になりますよね。
ここでは、歯石を取るための器具について、簡単に紹介していきます。
歯石を取る器具には、大きく分けて3種類あります。
・超音波スケーラー
超音波の振動を利用して、歯の表面から歯石を剥がしていくのが「超音波スケーラー」です。
超音波スケーラーは、超音波振動による熱が発生するため、冷却するための水を出しながら使用します。
歯石が多く付いていても短時間で取り除くことができるのがメリットです。
お水を出しながらの治療になるので、普段からお水がしみやすい方は事前に伝えておくとよいかもしれませんね。
・ハンドスケーラー
歯石を取るスタッフが手技を駆使して、歯石を削り取るのが「ハンドスケーラー」です。
いくつかの種類のハンドスケーラーを使い分け、細かい部分の歯石を取り除いていきます。
スタッフが必要に応じて力加減を調整できるのがメリットです。
振動で歯石を取る器具に比べると時間がかかるため、仕上げとして用いられることが多くあります。
・エアスケーラー
圧縮した空気から作られる振動を利用して、歯の表面から歯石を剥がしていくのが「エアスケーラー」です。
お水を出しながら使用するなど、超音波スケーラーとよく似ていますが、違いもあります。
じつは、エアスケーラーよりも超音波スケーラーの方が歯石を取り除く効果が高いです。
では、どのような時にエアスケーラーを使うのでしょう?
超音波スケーラーは、ペースメーカーを装着している方への使用を避けるように、と記載されています。
それに対して、エアスケーラーは、ペースメーカーを装着している方にも使用することができます。
ハンドスケーラーで取るには歯石の量が多いけれど、超音波スケーラーが使用できないときに活躍するのです。
このように状況に合わせて対応できるよう、歯石を取る器具には種類があります。
治療の流れ(3)歯の表面をツルツルに磨く
歯石を取り除いた後は、歯の表面をツルツルに研磨する工程があります。
歯石取りのあと、そのままにしておくとこまかいザラザラが残りやすいです。
歯科医師や歯科衛生士が、ゴム製のチップやブラシを使いザラつきを研磨します。
歯の表面を研磨することで、プラークをつきにくくすることが目的です。
また、細かい着色汚れ(ステイン)も研磨で落とすことができます。
歯石を取り除くだけでなく、研磨もすることで本来の歯の白さやツヤを取り戻すことができますよ。
すっきり気持ちいい!定期的なクリーニングで歯石取りを!
歯医者で歯石をしっかりと取り除いても、3カ月もすれば新たな歯石が付着します。
歯石の付きやすさは個人差がありますが、3カ月〜半年に1度、定期検診で全体のクリーニングをするのが理想です。
ご自身では歯石が付いたと感じなくても、普段お掃除の行き届かないところに歯石は付着します。
定期的なクリーニングで、早めに歯石やプラークを取り除きましょう!
定期検診では、ブラッシング指導を受けることもできます。
汚れの残りやすいところや、磨けていないところのお手入れ方法を聞きましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシなど、清掃補助器具の使い方についてもアドバイスしています。
そうすることで、歯や歯ぐきを健康に保つことにつながりますし、歯石も付きにくくなります。
麻生デンタルクリニックでは、患者さまに安心して治療を受けていただける環境を大切にしております。
気になることがあれば、なんでも遠慮なくお話しください。
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